フランチャイズ・システムとは加盟者にとって本部のノウハウ（商品・経営）の提供を受け、商標、商号を使わせてもらい、個人では到底得られない情報、信用を得ることができます。フランチャイズ本部のメリットは加盟店から加盟金を頂くことで、出店時の投資コストを抑え、素早い多店舗展開が可能なことが挙げられます。
　ここで注意しなければいけないのは、この契約はフランチャイズ本部の制約を受けることになるということです。事業者にもし独自の運営ノウハウをお持ちであれば、わざわざ高いお金を払って加盟する必要はありませんし、逆に自分のノウハウに自信があれば、フランチャイズ本部からの干渉がなく好きにできます。加盟をすることは、「干渉を受ける」つまり、「指導を受ける、加盟店のルールを守る」ことを意味しています。この縛りが決して甘くないことはまず最初に理解しておきましょう。

加盟店とフランチャイズ本部の関係は独立した資本家同士が契約を結ぶことになります。つまり各々の責任にて契約を結ぶことになるということです。加盟店はフランチャイズ本部の従業員として雇用されるのではく、自分のお金（資本）を投下して事業をはじめるのであって、独立した事業者であることを認識するべきです。従いリスクを十分に判断したうえで契約をするべきであります。また、フランチャイズ契約はフランチャイズ本部と独立した事業者との間で締結されるものであり、本部と加盟店の間には独禁方が適用されます。公正取引委員会では、独禁法に基づいて「フランチャイズガイドライン」を公表しどのような行為が独占禁止法にあたるのか、明らかにしてます。
　契約前にチェックしなければいけないのは、１．チェーン本部の概要、２．契約内容のうち、加盟者に特別な義務を課すもの等加盟者にとって重要な事項の２点です。
１．は主要株主、子会社、財務状況、店舗数の推移、訴訟件数など、
２．テリトリー権の有無、競業禁止、守秘義務の有無、加盟金・ロイヤルティ(注)の計算方法など金銭に関すること、商品・原材料の取引条件に関すること、契約解除・更新等に関すること

１．売上予測・経費予測
フランチャイズ本部側が加盟者に説明する際使われる数字ですが、これはあくまで予測であって、保証するものではないことを肝の銘じる必要があります。十分に知り合いや近隣の方、同業者などに聞いてみて判断してみる必要があります。
２．加盟金返還有無
店舗物件が確定する前に契約締結を求められることが危ないです。もし、実際に場所が決まらずいつまでもオープンできないなどの状況に陥った場合、返金してくれるのかどうか確認しておく必要があります。
３．ロイヤリティの算定方法
フランチャイズ本部の方針によってまちまちです。例えば売上に対して１０％とか、利益に対して１０％とか何パターンも考えられます。営業不振や営業コスト増などにより経営が赤字でも、ロイヤルティの支払いが必要であり、注意しましょう。
４．オープンアカウント等の本部との債権債務の相殺勘定
これも要注意です。簡単に言うと、売上をいったん全部フランチャイズ本部に吸い上げられ、そのあとロイヤリティや商品代などを引いて加盟店に残ったお金を本部が支払う仕組みです。お金が残らない場合、フランチャイズ本部からの融資となるので注意が必要です。